ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『歪み真珠』

山尾悠子が紡ぐ、バロック真珠の首飾り。
バロック真珠は歪みが魅力だ。凹凸が光を反射する。
そして、その個性は世界にひとつだけ。

「ゴルゴンゾーラ大王あるいは草の冠」
「美神の通過」
「娼婦たち、人魚でいっぱいの海」
「美しい背中のアタランテ」
「マスクとベルガマスク」
「聖アントワーヌの憂鬱」
「水源地まで」
「向日性について」
「ドロアテの首と銀の皿」
「影盗みの話」
「火の発見」
「アンヌンツィアツィオーネ」
「夜の宮殿の観光、女王との謁見つき」
「夜の宮殿と輝くまひるの塔」
「紫禁城の後宮で、ひとりの女が」


各作品のタイトルだけで美しい。
けれど、読みづらい。
その独特の世界観に入り込めたかな?と思うと、物語が終わってしまうものが多い。

「美神の通過」 のように、はじめにバーン=ジョーンズの絵画があって、それに物語をつけた……というのなら、とても面白いと思う。
イチから作者の想像の世界に入るのは、なかなか難しかった。

「ゴルゴンゾーラ大王あるいは草の冠」 は、荘厳さがユーモラスで愛おしい。
「マスクとベルガマスク」 の耽美さ。
退廃的な色がある 「アンヌンツィアツィオーネ」
「夜の宮殿の観光、女王との謁見つき」「夜の宮殿と輝くまひるの塔」 の「夜の宮殿」には想像力を掻き立てられる。

カテゴリを「ファンタジー・幻想」にしながら、「アート」の方がいいかもしれないと思った。
もし絵が描けたなら、それぞれの物語を描いてみたい。
そんな楽しみもあるのではないかと、読書の可能性が広がる気がした。



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