ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『オランダ靴の謎』 (創元推理文庫 新訳版)

作者が<<読者への挑戦>>で宣言している通り、論理的思考を怠らない読者なら『オランダ靴の謎』の犯人を当てることができる。(誰にも犯人を当てられない探偵小説は、ゲーム本来の定義からして、フェアプレイの名に値しない)。(略)だが、犯人を当てられることは、作者の知的敗北を意味しない。むしろその逆で、本書は犯人を当てた読者ほど、いっそうクイーンの力量に感服させられるような作品になっている。 
                                              
「本書解説:法月綸太郎」より



まさに!!
かねてより本格ミステリを読んで感じていた事。
そして、本書『オランダ靴の謎』を読んで思ったことを法月綸太郎氏がズバリ指摘されていた。
これを読んで「赤べこ」のように頷いた私は、冒頭に引用せねば!という使命感に駆られた。

とにかく、名作である。
「国名シリーズ」のなかでも純粋に謎解きができる一冊といえるだろう。

そして今回のエラリー君ってば、とっても挑戦的なのである。
「じゃあ、やってやろうじゃないの」という気にさせられる。
メモ欄まで用意されているんだもの!

そして、犯人の名前を「ぐるりっ!」と大きく囲んで読んだ第三部。
その名前がクローズアップされていくドキドキ感。

この気持ちは 「勝った!」 では決してない。
「凄い!」 なのである。

犯人の名前にいきつくまでも、笑っちゃうようなじれったさがチャーミング。
エンタメ性も最高だ。


本書の発表年は1932年。
それから世界中で数多の読者が挑み、楽しみ、感服してきた事に違いない「謎」。
その列に加われたことが、また純粋に嬉しいのである。






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