ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『八つ墓村』

ああ、金田一耕助は、なんのためにやってきたのだろうか。

うん、本当に何しに来たんだろうね。
他の事件の帰りに寄った。
それだけである。
ほとんど出番もないし。

あのモジャモジャ頭の、風采のあがらない、いくらかどもるくせのある、小柄で奇妙な探偵さんが現れなかったら、私の命はとっくになくなっていたにちがいない。

しかし、物語の主人公で、記述者でもある辰弥はこうも述懐している。
まぁ、確かにそうかな……とも思う。
辰弥くんがそう思うならいいや。


金田一耕助シリーズはずいぶん読んだ。
他にも『真珠郎』や『髑髏検校』なども読んだ。
それでも、やっぱり一番面白いのは『八つ墓村』である。

映像化等で、犯人もなにも全てが有名すぎるので、ストーリー紹介はさわりだけにしよう。
これも必要ないかもしれないが。


八つ墓村。
岡山県に位置する、この、おどろおどろしい名前の由来は戦国時代まで遡る。
尼子の落人、八人が毛利から逃れて来た事から……。

村人たちは始め、落人をかくまい、一見穏やかな日々が続いていた。
しかし、毛利の落人狩りが激しくなり、村人の心も揺らいできた。
そこで更に村人の心を掻き立てたのが「金貨三千両」である。
尼子再興の為に隠された金貨を目当てに、気を許していた落人八人を惨殺するに至る。
結局、金貨は見つからず、八つ墓村には「八」にまつわる呪いだけが残った。
人々は怖れ、八人の首級を「八つ墓明神」として手厚く葬った。
それでも祟りは収まらない。
時代が昭和に移ってからも……。


この物語は辰弥の自分探しの冒険だ。
出生の秘密。
守り袋に入った謎の地図。
村の地下に張り巡らされた鍾乳洞。

面白い!

もう有名過ぎて、どこからがネタバレなのか分からないので、私がよくやる「八つ墓村遊び」でお茶を濁そうと思う。

それは「勝手にキャスティング!」
これがね、面白いのよ。楽しいのよ。

現在固まっているのはこうだ。(敬称略)

金田一耕助:松山ケンイチ
寺田辰弥:神木隆之介
森美也子:仲間由紀恵
濃茶の尼:白石加代子

このへんは決定。
双子の老婆は菅井きん、かなぁ。
典子が出てこないんだよ、典子がっ!!

このあたりで行き詰まると、私は「ハリウッド版」を考え始める。
が、すぐ終わる。
ジョニー・デップとヘレナ・ボナム=カーターで全部いける。
若返ってもらったり、老けてもらったりは必要だがOKだ。


今回、久しぶりに読み返して、純粋に面白かった。
自分でねつ造したと思われるセリフ等もあった。
あのセリフ、ないぞ……?
この描写はもっと詳しくなかったっけ……?

それだけ、この物語は読者の想像を掻き立てるのだろう。
面白い作品は面白い。
これに尽きるのである。





やーっぱり、装丁は杉本一文氏のコレでしょう!
私の本棚にも安置されておりますぞ。

yathuhakamura

| 横溝正史 | 16:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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