ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

2016年04月 | ARCHIVE-SELECT | 2016年06月

| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

『栄光のナポレオン ― エロイカ ―』

その痕跡は、現在にも多くを止める。
ひとつが「フランス外国人部隊」だ。
ナポレオンは戦争なくして語れない。

フランス革命は数多の血が流れた。
ルイ16世やマリー・アントワネット、恐怖政治を敷いたジャコバン派の議員たち。
王党派を死に追いやったロベスピエールやサン=ジュストらである。

残ったのは失脚の首謀者バラスをはじめとした、汚職にまみれた腐敗議員たち。
良くも悪くもリーダーを失ったフランスは混迷を極めた。

そこに現れたのが、ナポレオン・ボナパルト。

ナポレオンは戦争に強かった。
ひたすら強かった。
次々と領土を拡大する様に、フランス国民は熱狂した。
が、反動がやってくる。
国王を死に追いやった市民が、たった数年で今度は「皇帝」を望んだのである。

ここが本作の見せ所。
歴史のターニングポインントを、『ベルサイユのばら』の登場人物、アランとベルナールが強烈な形で印象づける。
オスカル亡き後も、オスカルイズムを貫こうとする登場人物の配置が絶妙で、感情的にも入っていきやすい。

ベルナールのことばのとおり、「ナポレオンの時代が必要だった」のは確かだろう。
フランスを救ったのは戦争ではなく、新しい法を定めた「ナポレオン法典」に他ならない。

ここにこそ、「英雄(エロイカ)とは何たるか」を知る思いがする。

しかし、戦争を続けなければナポレオンは皇帝として存在を示せない。
戦争を続ければ国は疲弊するばかり。

取り巻く登場人物の特徴を端的に押えた描き方が非常に分かりやすく面白かった。
帝政ロシアの名将クトゥーゾフ将軍など、漫画のなかに居ても流石の貫録だ。












| マンガ | 06:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT