ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』

メキシコ南東部キンタナ・ローの海を舞台にした、ファンタジックな3編。

「リリオスの浜に流れついたもの」は妖しくも魅力的だ。
イチゴ色の髪の青年の元に流れ着いたものがなんだったのか。
ラストの一行にドキリとした。

「水上スキーで永遠をめざした若者」はよくあるトリップものだけれど、マヤの石版が想像力をかきたてる。
この話も、キンタナ・ローの海が、物語が魅力的になるようにとマジックをかけているといっていい。

鮮烈な「デッド・リーフの彼方」から受けるメッセージは強烈で、今、ティプトリーが生きていてこの日本の状況を見たらどう感じるのかを知りたくなった。

海が復讐する。
それでも私たちは海と離れては生きてはいけない。
共に生きていく方法を考えなくてはいけない。真剣に。心から。





| ジェイムズ・ティプトリーJr. | 18:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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