ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

2011年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年10月

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『デカルトの密室』

これは「知能(インテリジェンス)」についての物語だ。

どうして「私」は「私」なのか。
どうして眠った後、目が覚めても同じ「私」でいられるのか。
自分の体を失えば、「私」は「私」から開放されるのだろうか。
…でも、きっと「その時の私」は「今の私」ではない。
そんな気がする。

心とは何か。
ロボットにも心はあるのか。

作者の問いは続く。
開けても開けても繋がっている大きな密室にいるのだと、その度に気づく。

ただ、人間には想像する「自由」がある。
「私」は「私」のまま、本を読むことで「私以外の誰か」になれる。
不思議の国を迷うアリスにも、中つ国で辛い旅をするフロドやサムにもなれる。
そして、本を閉じれば「私」は現実という「私の物語」を続けていく。

正直まだ消化しきれない。
たぶんずっと消化できない。

ただ、思う。
想像する自由だけを求めるよりも、体で感じる自由を大事にしたい。
肌で感じる風、雨の音を聞く耳、目、口、香り……光。
電脳の世界には無いものを。

それをもっと大事にしたい。
そして、それを表現すること。
そうすれば「私」はもっと自由になれる。
そんな気がする。




| 瀬名秀明 | 15:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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