ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『ジャンヌ・ダルクの生涯』

ジャンヌと共にフランスを旅したような気分に浸れるエッセイ。
お堅い題名に反して非常に読みやすい。

戦火にみまわれながらも過去の姿を多く残すフランス。
作者はジャンヌと同じ場所を旅し感じながら、時に作家として、時に女性として「ジャンヌ像」に迫っていく。
フランス語の人名や地名にクラクラしながらも、とても面白く読めた。

結局のところ、私には「ジャンヌ」が分からない。
オルレアンの開放は確かに英雄的行動だろう。
兵糧攻めに苦しんでいた人々はどれだけ歓喜したことか。
しかし、神の名で兵士を鼓舞し多くの血を流させての結果である。
ジャンヌは敵兵の骸を前に涙したというが、それは殺したことに対してではなく告解を受けず死んでいった事への同情だったという。
なぁんか……ズレてるよなぁ……。

藤本氏はこう記す。


ジャンヌを語ろうとする人々の多くは、様々な理由によって、ジャンヌを神聖化したい人々だからである。私のように、真実のジャンヌを知りたいなどと思うヘソマガリは、あまりいないのにちがいない……。


作者と同じく、どうやら私も「ヘソマガリ」の方らしい。
ただ、ジャンヌが剣より愛したという自らの軍旗。
白地に赤が輝くその旗は美しく、「ジャンヌの願いと理想」を写したかの様に思えた。





| 藤本ひとみ | 18:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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