ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

2010年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年03月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

『パンツの面目ふんどしの沽券』

パンツについてこんなに考えさせられたのは初めてだ。
これは万里姐さんにしか書けまい。
この情熱!なんて人……!!

「ごめん母さん。もう何を捨てたっていい。あたし、パンツのことをもっと知りたいの……!!」

まるで演劇覚醒後の北島マヤの如きです。

だって、磔刑のときにキリストが身につけていたのはパンツなのかふんどしなのか、とか、アダムとイヴのイチジクの葉っぱはどうして落ちないのか、とかそういうことがもう大真面目に取り上げられているんだもの。
民族学的に、歴史的に、更には利便性を鑑みて様々なアプローチで迫る姐さん。

なかでも、3章を費やして書かれている生理用品に関する記述と、生理中の過ごし方に関する歴史は同じ女性としてとても興味深かった。
女子の皆さん、ここだけ読んでも面白いっすよ!

そして遂に「乗馬が先かパンツが先か」で、石器時代にまで遡るのだ。
どうやら寒さを凌ぐ目的でズボン=パンツを着用していたらしい。
よって、人間は馬に乗る事が出来、現在の発展に至る…と。

……う~~~ん。思わず唸りますな。凄いスケールの話ですよ。
たかがパンツの話。
されどパンツの話。

なんかもう感謝の念すら抱きます。


-----------------------------------------------

   いつもあなたを守っています。

               あなたのパンツより  

-----------------------------------------------


「ありがとう!紫のパンツのひと…!!」




| 米原万里 | 19:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |