ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

『国盗り物語』

流石は司馬遼太郎!!

前編の「斉藤道三編」では、一介の破戒僧・庄九郎(道三)が盗って盗って成り上がる様が小気味良く描かれています。
文句なしに面白い!
油売りの経験から楽市・楽座の政策を布いたり、庄九郎のアイデアは枯渇することを知りません。

しかし、「盗れた」のは「天下」ではなく「美濃一国」。
道三はこれが自分の限界であることを悟ります。もう自分はここまでだ、と。

そして華々しく「織田信長編」へ突入します。
豊かな土地、尾張に産まれた娘婿の信長に「天下統一」の夢を託すのです。
舅である道三の存在が、信長に大きな影響を与えたのは周知の事。

ここでクローズアップされるのが明智光秀です。
秀吉の立身伝は有名ですが、今まで深くは知らなかった明智光秀という人物の生き様を興味深く読みました。
でも、四巻は苦しかった…。
「信長という天才的な奇人」に必死で食いついて食いついて、ある程度認められはするものの、それ以上は取り立てられない苦悩。
頭蓋骨の杯に、お追従笑いできる秀吉と、分かっていながらできない光秀。
もう、読んでいるだけで胃に穴が開きそうでした。

血で血を洗う戦国の世に、精一杯生きた明智光秀!!

そして、本能寺へ……。


この本の物語は終わりますが、あることが明確に見えてきます。

今の日本は斉藤道三から繋がっている、と。

道三失くして信長はなく、また、光秀が信長を討たなければ秀吉に天下が渡らず、石田光成との決戦で徳川家康が幕府を開くことはない。
そして、やっと三百年に亘る太平の世がやってくるのです。

自分の先祖も、そんな世を生き抜いてきた。
そして、「今」に繋がっている。
歴史の偉大さに圧倒されます。



| 歴史小説 | 19:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

『天と地と』

カリスマ性が非常に強く、天下取りを狙う武将のなか、ただ一人「義」によって国を治めようとした人物「上杉謙信(長尾景虎)」が魅力的に描かれています。
年少ながら不気味なまでの光を放つ景虎。
面白くてどんどん読み進めることが出来ました。
乳母の松江や鬼小島弥太郎など個性的なキャラクターも配され、景虎が突然出家するときなどは

「景虎と愉快な仲間達」

といった微笑ましい感じさえも受けます。

しかし、軍師・宇佐美定満の娘、乃美との「関係」は切ない!
それは「恋」であり、「愛」であるのに、景虎が非常にプラトニックな人物であるが故に困惑する様が、読み手として非常にもどかしかったです。
特に川中島の決戦前夜は、お互いに気持ちを確認しているにも関わらず…。

藤子・F不二雄SF短編集の「ノスタル爺」みたいに

「抱けぇ~~!!抱けぇ~~!!」

と叫んでしまいそうでした。

そして、出陣していまうお虎様…。
ううう、切ないです。

川中島戦があえて(?)あまり描かれていないのも、読み手としては余韻に浸れるようなもっと読みたいような…。

歴史モノというと気負ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう方にこそオススメです!



| 歴史小説 | 17:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

『武田信玄 山の巻』

いよいよ京へのぼろうとする信玄の前に颯爽と現れたのは織田信長!
自らの衰えと、信長の若さへの焦り…。
それでも脅威の戦術と無敵の騎馬隊で進む武田軍。
特につぶて打ちで始まる三方ヶ原の合戦は白眉!!
敗戦し、命からがら逃げ帰った家康が自らの戒めのため肖像画を描かせた程。
その恐怖たるや馬上で失禁脱糞したというのですから、相当のものであったことが推し量れます。
(↓教科書で見たアレ)
ieyasu.jpg

しかし、信玄は発病…。そして没してしまい、上洛はかないませんでした。
弱った信玄を籠に乗せ、京へ向かっていると嘘をつきながら甲斐へ進む一行が切ない…。
「何処まで来たか」と問う信玄に、京までの距離を計算し嘘の返答をする家臣…。
やるせない想いが、胸いっぱいに広がりました。


歴史に「もしも」はありません。
しかし!もしも、長篠の戦いで指揮を執ったのが勝頼でなく信玄だったら…!
織田軍の鉄砲をものともせず、あらゆる戦略を用いて…、もしかしたら…!
…秀吉の辞世ではありませんが「夢のまた夢」ですね。



| 歴史小説 | 00:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT