ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

『迷路館の殺人 <新装改訂版>』

うわっ!楽しい!どうしよう!!
これが感想の全てだといっていい。

ミステリとしては、確かに無理がある。
「そこ、気付こうよ」って何度も何度も登場人物に突っ込む。
「志村、後ろ後ろー」みたいな感じで。

しかし、この 楽しさ!!疾走感!!
それらが全ての弱点を打ち消して余りあるのだ。
作者の若さが良い意味で表れていると思う。

何が楽しいかって、数多のミステリからのオマージュ、という「ピース拾い」である。
拾って拾って拾いまくる!
前作 『水車館の殺人』 で見つけた私なりの楽しみ方が満喫できた。
もう、ニヤニヤしっぱなし。

そして、再読がまた楽しい!

しかも今回は「迷宮」が舞台だ。
ギリシャ神話の世界がモチーフだ。
ミノタウロス、テセウス、ダイダロス……。
それぞれ個性的な役割と、個性的な登場人物に割り当てられた部屋の名前の意図を汲み取ったり。

懐かしかったのがワープロの「文豪」と「オアシス」。
私も小学生の頃にNECの「文豪」でキーボード操作を覚えたっけ。

作者が仕掛けた割と簡単な謎かけに初っ端から引っかかったが、これがまた……。
解く気があるのか、私は。今度は自分に突っ込んだ。

例えるなら、海水浴で泳ぎもせずに、砂浜で貝殻拾いに夢中になっている子供のような感覚。
ホント、なんだろう、これ。
思い出しても笑いが漏れる。
「夢中になる」という純粋な喜びを辿ること……。
それが私の“アリアドネの糸”だったのかしら。





| 綾辻行人 | 23:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

『水車館の殺人 <新装改訂版>』

拾い集めたパズルのピースを、パチリ、パチリと順序良く組み立てていってもらえる。
登場人物の表現を借りたが、まさにそんな感じ。

う~ん。どうなんでしょ。
分かってしまう「犯人」。
分かってしまう「伏線」。
分かってしまう「あの場所」。

前作 『十角館の殺人』 と比べると、だいぶ落ちるなぁ、という印象。
「水車館」という建物にも、私はあまり魅力を感じなかった。

横溝リスペクト作品といってしまえば「まぁ、そうだよな」と思う。

しかし、前作とはまた違う形での「古典の技」を披露してくれるのは面白い。
作者のミステリ愛を、ひしひしと感じる作品だ。

ただ、今作で、このシリーズの楽しみ方が自分なりにハッキリした気がする。
「あっ!これってアレにでてきたアレだよね。よしよし、分かったぞ」
そうやって、ニヤリと笑いながらピース探しをする事。

さあ、今度はどんなピースが拾えるか?
次の館へGO!




| 綾辻行人 | 22:39 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

| PAGE-SELECT |