ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『蒼い時』

旅行に興味がないエドワード・ゴーリーが、スコットランドへ行った。
その旅に関して書かれて(描かれて)いるとの事。

ゴーリーといえば、ヒゲモジャで、長い毛皮のコートを着て、足元はスニーカー。
この姿しか思い浮かばないから道中では一体どんな格好をしていたのだろう。

そんな想像もつかないゴーリーの頭の中は、やはり想像するのが難しい。

まず、この犬の様な……?……かわいいキャラクター。
2匹は楽しく……?……おしゃべりしてる。

楽しかったのかしら。
本にしちゃうんだもんね、楽しい旅だったんだきっと。
良かった、良かった。

そんな風にひとつずつ想像してみる。

今まで読んだゴーリー作品の中で、一番よく解らない。
だから、やっぱりちょっとずつ想像してみる。


折しも参院選の頃に読んだから、ついついこのセリフに目が留まってしまった。
ガッカリ選挙だったから特に。

違うふうになると思ってたのに。
<まったく同じに/とにかく違うふうに>なったじゃないか。


I thought it was going to be different;
It turned out to be(,) just the same.



そうそう、選挙といえば、イギリスってEUから離脱するんだよね。
まさにゴーリーが出掛けたスコットランドが独立の動きを見せているけれど、どんな事になるのかな。
それから、2016年のウィンブルドン大会では、スコットランド人のマレーが優勝。
表彰式でキャメロン元首相がブーイングを浴びてたのには驚いた。

それって沈没よりひどい運命じゃないかな。
でもこれ以外のなんてないぜ。


It seems to me a fate worse than sinking.
But there isn't any other kind.




そうやって世界を、身の回りを、勿論自分自身を見て思うのはこのセリフ。

僕は絶対 他人の前で君を侮辱しない。
君の言うことはすべてつながってるってこと 僕はつい忘れてしまう。


I never insult you front of others.
I keep forgetting that everything you say is connected.



世界中が、繋がっている。

途切れた文字の

 あいしあお 。
   obe one anoth  .



名訳で知られる柴田元幸氏も、この本の訳出には苦戦がみられる。
でも、精一杯の愛おしさに満ちている。

最初は全く解らなかった。
理屈を並べたりしてみた。
でも、読むにつれ、だんだん「かわいい」と思うようになった。

純粋に 「かわいい」 と。

この不思議な感覚は、ぬいぐるみを可愛がっていくのに似ている。
何とも思っていなかった犬(?)のぬいぐるみを、今はギュッと抱きしめたい。
そんな気持ち。





| エドワード・ゴーリー | 00:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』

あのゴーリーが選んだ怪談の数々。
選りすぐり12編が収録されております。


「空家」  A・ブラックウッド
「八月の炎暑」  W・F・ハーヴィー
「信号手」  C・ディケンズ
「豪州からの客」  L・P・ハートリー
「十三本目の木」  R・H・モールデン
「死体泥棒」  R・L・スティーヴンスン
「大理石のからだ」  E・ネズビット
「判事の家」  B・ストーカー
「亡霊の影」  T・フッド
「猿の手」  W・W・ジェイコブズ
「夢の女」  W・コリンズ
「古代文字の秘法」  M・R・ジェイムズ



私が一番好きなのは「八月の炎暑」(W・F・ハーヴィ)
ピリッと効いた怖さが良い。こういうロジックはとても好みです。
ゴーリーのイラストも素晴らしい!

一番怖かったのが「判事の家」(B・ストーカー)
流石はドラキュラの作者。
ストーリーの陰と陽が巧みです。
ゴーリーのイラストもいかにも邪悪で怖い。

スリラーの名作「猿の手」(W・W・ジェイコブズ)も収録されて、ゴーリーの編者としての一面にも興味が湧きました。




| エドワード・ゴーリー | 21:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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