ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

| PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

『金曜日の砂糖ちゃん』

酒井駒子ワールドを、じっくり味わえる3編。

明るいけれど、なんだか暗い。
暗いけれど、たぶん明るい。
なんだか、サイレント映画を観ているような感覚になる。

「金曜日の砂糖ちゃん」
原っぱでお昼寝をする女の子。
死んだように動かず眠ってる。
砂糖ちゃんは人気者。
お昼寝姿を見ているだけで、満足してくれているうちはいいけれど。

「草のオルガン」
夕方、音が出ないオルガンを見つけた男の子。
音はでないけれど、それがいい。
鍵盤は音じゃないものを連れてくる。
知らない道を通るのは、ちょっとした冒険だ。

「夜と夜のあいだに」
真夜中に目覚めた小さな女の子。
計画していたのか、思いつきなのかは分からない。
ただ、心にあったことがひとつ。
準備をして……出発……。


じんわり、じんわり、心に沁みこむ。
温かい紅茶に、角砂糖をポチャポチャと入れる。
溶けて崩れていく角砂糖を、ただ静かに見ているような感覚。

パタンと本を閉じると、映画が終わってもカラカラ回り続けるフィルムの音が聴こえる気がした。
角砂糖はまだ、溶けきっていない。




| 絵本 | 21:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

気分はエルサ! ポップアップ絵本 『雪の結晶』

クリスマスプレゼントはお決まりですか?
今回は大人も子供も魅了する、冬ならではの絵本のご紹介です。

子供の頃、楽しかった「とびだす絵本」。
しかし、最近のポップアップ絵本は飛び出し方が尋常ではありません。
驚くほどの立体感!!
特にこの『雪の結晶』は飛び出し方も色々。

読んでいると、ラメが手や服にくっついてキラキラに!
去年、甥っ子にプレゼントしたら「エルサ!エルサ!」と言って喜んでいました。


手をかざせば
♪ありの~♪ままの~♪
の場面が、ホラ再現できるでしょ!?

snow-f




短編「エルサのサプライズ」から
はっくしゅん!
エルサのくしゃみで飛び出るスノーマンが、ホラホラいっぱい!

snow-f2


こうやって一緒に遊びながら楽しみました。

また、ポップアップ絵本のなかでは読み物も充実しています。
雪の結晶を眺めたり、飛び出す仕組みを考えたり、飾ってみたり、楽しみ方は色々。


昨今、書籍の電子化が加速してきました。
でも、ポップアップ絵本だけは無理でしょう。
3Dで飛び出すのとは、やっぱり趣きが違うと思います。

紙ならではの楽しさが、いっぱいつまったポップアップ絵本。
ページを捲るドキドキや、どういう仕組かを考える好奇心。
「物」としてだけでない贈り物ができたら、どんなに素敵でしょう。

もっともっと凄いページがあるのですが、ネタバレになってしまいそうなので画像はAmazonさんからお借りしました。
私が一番好きなのはクルクルってなってキラキラなあのページ!
どうぞ手に取って確かめてみて下さいね。

楽しいクリスマスを!




| 絵本 | 04:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

『オルゴールワールド』

どれ、奇跡の話をしようじゃないか。

こんな一文から始まる、世界を繋ぐオルゴールの話。
奇跡をおこすには、地道な努力が必要だ。


「ちょっくら奇跡に用がある」

そう言って、老人は世界を繋ぐ為に巨大なラッパを作っている。
奇跡をおこすには、長い時間と「約束」が必要だ。

一人じゃ奇跡はおこらない。
相手がいるから。
伝えたい相手がいるから、そして受け取ってくれる相手がいるからおこるのだ。


この絵本に飛びついたのは、「原案・タモリ」の背表紙からだった。
そして、著者はお笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さん。

笑いを生む、ということは一番平和で一番危険なことでもあると思う。
例えば風刺画。
社会問題に対してギリギリに斬りこむ芸人さんもいる。
巨大なラッパを作っている老人は、長い長い綱渡りをしているように描かれている。
落ちれば言わずもがな、だ。

そういう人達にとって、音楽は「ズルイ」のかもしれない。
言葉も時代も宗教も関係なく、一度に全部繋がってしまうから。

「原案」がどこまでなのか分からないが、世界を優しく包み込むようなストーリーが素晴らしい!
ラストでは私にもオルゴールの音色が聞こえてくるようだった。

奇跡は一朝一夕にはおこらないし、おこせない。
奇跡を起こすには、長い時間と地道な努力が必要だ。

そんなことをする人は 阿呆 と呼ばれても気にしない。
「約束」が阿呆に力をくれるからだ。
自分との約束であり、遠くの誰かとの約束が。




| 絵本 | 03:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT