ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『さいごの戦い -ナルニア国ものがたり』

ついにナルニアの終焉が描かれる本作。
初めて読んだときは、意味が解らずただただショックでした。
しかし、今はなんともいえない深い幸福感を味わうことができました。
ナルニアは消滅したのではなく、永遠のイデアへとたどり着いたのだと解ったから。


さて、ナルニアはチリアン王の世。
ずる賢い猿のヨコシマは、ロバのトマドイにライオンの皮を被せてアスランと偽り、カロールメンと結託してナルニアを乗っ取ろうと企てます。
そこに登場するのは、すっかり頼もしくなったユースチスとジル。
そして、ナルニアに関わった「アダムの息子・イブの娘」達。
ただ一人を除いては……。

ここで以前 『カスピアン王子のつのぶえ』 で触れた「スーザン」と「ルーシィ」の問題が如実になります。

ナルニアでの戦いの描写は荒々しく、また痛々しく絶望的でもありますが、それ故に最後にたどり着く場所の美しさが際立ちます。

アスランに導かれ、更なる高みへと昇るナルニア。
創世、魔女からの開放によって訪れた春、世界の果てへの航海、地下への旅……。
全てが自分の中に溶け込んで、なんともいえないカタルシスを覚えます。

さあ、おいで、もっと奥へ!もっと高く!





| C.S.ルイス | 01:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『魔術師のおい -ナルニア国ものがたり』

ナルニアの創世が明らかになる本作。
『朝びらき丸東の海へ』 と並んで私を魅了して止みません。
魔術師、不思議な指輪、世界の創世、善と悪、罪と贖罪……などがハッキリと描かれた迫力のあるストーリーは、シリーズ中でも1、2を争う傑作なのではないでしょうか。

時代は、シャーロック・ホームズがベーカー街に住んでいた頃。
「魔術師」とは現代的に言えば「マッドサイエンティスト」。
その魔術師の甥っ子ディゴリーと友達のポリーが不思議な指輪で別の世界へ行き、あの白い魔女に出会います。

今回のストーリーで、『ライオンと魔女』 で語られなかった三つの謎が明らかになります。
それは、「白い魔女がナルニアにやってきた理由」
「何故ナルニアの野にイギリスの街灯があるのか」
「衣装箪笥が何故ナルニアに通じていたのか」
ということ。


私を最も惹きつけるのは 世界と世界の間の林
木がぐんぐんと伸びる音だけが聞こえてくる……なんてちょっと怖い気もするけれど、何事もおこらないくせに、けっしてたいくつしない 感覚を私も体験してみたいものです。
怖いから本当にちょっとだけ、ね。

そして、ナルニアが創られていく様は美しく アスランが歌う天地創造の歌 は想像しただけでゾクゾクします。

色々な謎が解き明かされて繋がっていくなんて、ちょっとミステリにも似た快感の得られる本作。
魔女の凄まじい暴れっぷりも見所のひとつといえるでしょう。
いえね、もうホント凄いから。
怖いから。
魔女、マジパネェ~!!

ペベンシーきょうだいが、いかに待ち望まれていた存在なのかがよっっっっく分かります。





| C.S.ルイス | 20:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『馬と少年 -ナルニア国ものがたり』

時は、「英雄王・ピーター」の治めるナルニア黄金期。
そう、あのペベンシー家のピーターです。
同じく王座に就くのは「優しの君・スーザン」「正義王・エドマンド」「頼もしの君・ルーシー」。
白い魔女のいなくなったナルニアの絶頂期といえるでしょう。
大人になった姿のペベンシーきょうだいの登場が読者としても嬉しいところ。

そんななか、異国ではナルニア出身の話す馬ブレーと少年シャスタ、そしてフインとアラビスがカロールメン国からナルニアまで砂漠を越えて旅をします。
カロールメンとナルニアは戦争の危機に…。

シリーズ中、一番読む頻度の低い本作。
やはり宗教差別、人種差別を感じてしまうからでしょうか。

ナルニアがイエス・キリストのメタファーであるアスランに守られた国であるのに対して、カロールメンはイスラムです。
長く、未だ解決の糸口の見えない宗教戦争を思うと心がずっしりと重くなります。
子どもの頃は「つまらないお話」だと思って読んでいましたが、現在に至るまでの悲しい戦争の数々を知った今、「虚しさ」が胸に去来するのを止める事が出来ません。




| C.S.ルイス | 19:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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