ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『指輪物語 追補編』

本編では語られなかった、中つ国の物語。
いや、「語りきれなかった」と言った方がいいかもしれません。

ファンの為の本ですが、固有名詞一覧等が付いているので躓いた方にもオススメ。

この「追補編」を読むと物語に俄然厚みが増します。
アラゴルンとアルウェンの物語。
ホビットたちの物語。
ドワーフの、そしてエルフの物語。
西方諸国の、東夷の、ドゥネダインの物語…。
目の前を風のように駆けてゆく中つ国が見えるようです。
『指輪物語』 にこの追補編は必要不可欠。

また本編を読み返したくなりました。
そうして、私はまた指輪に取り込まれていくのです。




| J.R.R.トールキン | 16:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『指輪物語 王の帰還』

モルドールとの戦を控え、ゴンドールのミナス・ティリスに集まるローハンの騎士。
そして、西方の戦士たち。
しかしなお圧倒的な形勢不利の状況に、アラゴルンは死者の道へと進みます。
ついに開かれた黒門(モランノン)。
サムは囚われの身となったフロドの救出に、単身キリス・ウンゴルの塔へと乗り込みます。

それぞれの闘い。
指輪の行方。
ゴクリは……。

手に汗握る緊迫感、迫力の描写!
前半は、駆け抜ける様に一気に読めます。

ミナス・ティリスのピンチにローハン軍が到着するあたりは、もうトリハダもの!
馬の蹄の音が、剣を振り下ろす音が、荒々しい叫び声が聞こえるような戦闘シーン。
その中でも白眉なのはエオウィン姫とメリーの活躍!
だって、ついて来るなと言われた二人が来なければ絶対に勝てなかったんだもの。
姫が名乗りを上げるシーンは同じ女性として嬉しいものがありました。

一転、王の葉のエピソードは気持ちがホッと和らぎます。
ハーブティーのような葉の香りまでしてくるようで……。

そして、王は自らが語らなくともそれを示すもの。
予言されていた未来の王を表す「エレスサール」の名が人々の口から自然と上がる様子はいかにも伝説的で格好いい!


後半は、たった一人でオークを相手にキリス・ウンゴルに乗り込むサムの冒険から語られ始めます。
フロドとサム、彼ら二人のつらい旅の行程に読み手のほうの気持ちも重くつらく、読むスピードもなかなかあがりません。
何度も挫けそうになりながら、何度も自分を奮い立たせながら懸命に進むサム。

自分の食料や水までも主人に与え、疲れきったサムが自分に向かって叫んだ言葉。

「そしてフロドの旦那は、おらが背負って行く。たとえこの背中が折れ、心臓が破れたとしてもよ。だからいい合いはやめだ!」

「絶対に辿り着けっこない」というネガティブなもうひとりの自分に放ったこの一言に、サムの強さが集約されています。

一方、指輪の狂気と戦いながら、どんどん心を蝕まれていくフロド。

目的の地サンマス・ナウア。
ついに取り込まれてしまうフロドに飛びついたゴクリと、滅していく指輪を描いた数ページはギラギラと赤く暗く光りながら私の中に焼きついて離れません。
火口に躍り上がるようにして浮かぶゴクリの影を、確かに私も「視た」のです。


そして、数々の別れと まるでゆっくりと醒めていく夢みたい なホビット達の帰路。
指輪所持者たちを灰色港で見送って、私もまた、サムと同じように深く息をつきました。
この物語に出会えた幸せを噛み締めながら…。





劇場版のカットシーンもふんだんに盛り込んだエクステンデット・エディションがオススメ!



ライトに楽しみたい方はこちらをどうぞ!



【蛇足】
初めてこの物語に出会った中学生の時、一時期他の本が全く読めなくなってしまったことがありました。
フロドが指輪に取り付かれてしまったように。
関連の書籍を買いあさり、中つ国に思いを馳せて過ごすうち「もう『指輪物語』から離れられないのでは…」という感覚が強くなっていきました。
しかし「ええぃ!」と呪縛を解くように読み始めたのが、エンデの『はてしない物語』。
この本も何度目かの再読で、大好きな本だったのでバスチアンならばと、彼に白羽の矢を立てたのです。
そして、見事指輪の呪縛から解放してくれました。
バスチアンは私にとって、ガラドリエルの玻璃瓶のような子です。
傍観者である私までも指輪の呪縛に捕らわれてしまうのですから、フロドは本当に本当に大変だったでしょうね。

| J.R.R.トールキン | 15:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『指輪物語 二つの塔』

9人の仲間の離散。
そして、アイゼンガルドのオルサンクとモルドール勢に奪われたミナス・モルグル(元はゴンドール領のミナス・イシル)の二つの塔を舞台に、それぞれの戦いが続きます。
そして、フロドとサムは一路モルドールへ…。

さて、「二つの塔」とはいうものの、塔はいくつも出てきます。
一つめの塔はオルサンクとして、二つめってどれかしら?
バラド=ドゥアかな?
それともミナス・モルグルでいいのかな?
うーん、ミナス・ティリス??
という風に最初に読んだ時は「どれよ!?」と困惑したのですが、どうやらもう一つは上記のとおりミナス・モルグルらしいです。
ガッテン!ガッテン!!

前半はダイナミックな展開が魅力的。
エントやフオルンの不思議さ、草原を駆ける馬と騎士たちの不敵さ。
戦いのシーンは大迫力!

後半ではつらい旅を続けるフロドに焦点があてられます。
読んでるだけで指輪の重さが伝わってくるよう……。

ゴクリも本格的に出てきて気が抜けません。
不気味だけれど哀れさを誘うゴクリの言葉遣い、心の揺れ、不安定さ、邪心。
それを見事に表す瀬田先生の訳は本当に秀逸だと思います。

サムのひたむきな忠心と勇気が愛しいです。




| J.R.R.トールキン | 19:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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