ちった図書室 ~Bibliothèque de Cittagazze~

手当たり次第に読んだ本を手当たり次第に記していこうという、意気込みだけは凄い図書室。目指すは本のソムリエです。

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『タイタンの妖女』

とにかく、入っていきづらい本だった。


火星。
その次は水星。
それからまた地球。
それからタイタン。



どうして流浪させられなければならないのか。
さすらい人、マラカイ・コンスタントそのままに、私も火星、水星、地球、そしてタイタンへ。

何処も落ち着く場所ではなく、心はいつも不安定。


火星。
その次は水星。
それからまた地球。
それからタイタン。



ついにタイタンでその理由を知ったとき……。
「ハハ……」と乾いた笑いが込み上げてきた。

あぁ、そう。
そうか。
役目があったんだ。
つながりの小さな一つに、自分が存在した。
ただそれだけのこと。
良かった。
ありがとう。
教えてくれて、ありがとう。


火星。
その次は水星。
それからまた地球。
それからタイタン。



読んでいて楽しい本ではなかった。
わけがわからなかった。
それでも、なぜか読後は温かだった。


火星。
その次は水星。
それからまた地球。
それからタイタン。



お疲れ様、マラカイ・コンスタント。

これまでも、いまも、これからも、変わりなく。





| カート・ヴォネガットJr. | 03:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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『ガラパゴスの箱舟』

面白い!構成の妙!
一気に読んだ。

人類の、百万年に及ぶ進化の……退化の物語。
それを「わたし」の視点で見ていくのだ。
この「わたし」が誰で何者なのか、それも途中で明かされるまで分からない。
しかし、「わたし」は選ぶ。
百万年を人類と共にすることを。
「わたし」の存在も物語を魅力的にしているパーツのひとつだ。

変化した百万年後の人類の姿に 『ウォーレスの人魚』 を思い出さずにはいられない。
ガラパゴスで進化論を直感したダーウィンと、別の観点から進化論に着目したアルフレッド・ウォーレス(ウォレス)は、人間が人魚になるのを、または人魚であったことを知っていたのかもしれない。

究極の状態で百万年経たなければ分からないが、その時はどうか今と変わらず「巨大脳」 を持っていて欲しいと願う。
それがどんなに滑稽で醜悪であったとしても、愛すべき感情を備えているのだから。





| カート・ヴォネガットJr. | 22:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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